2001年 入社 特別養護老人ホーム 介護長
村上 智子
楽しいから続けられる仕事です。だから…この楽しさを次の世代にきちんと繋いでいくのも私の役目です。
毎日机に向かって淡々と書類を整理する事務の仕事が嫌いだったわけではなかったんですが、自分はこのままでいんだろうかって漠然とした不安があったんです。そこで27歳の時に心機一転しようと決意して、やったことのない介護の仕事に飛び込んだのがこの仕事を始めたきっかけです。
新人の頃は毎日走り回って体動かして夜にはグッタリでした。最近は年齢的に体力がなくて大変です(笑)。でもこの仕事は本当に毎日が充実していて、寿楽園で働き始めてよかったって思います。私はじっと座っているより体を動かしている方が性に合ってるみたいです。
寿楽園での仕事も22年目になって自分もキャリアを重ねてきたからこそ、今のこの仕事の大切さが改めてよくわかるようになってきました。と同時に、仕事との向き合い方にも変化があるように最近思うんです。
若い頃って仕事をして感謝されると素直に喜んでいたんですが、今はその一言に至るまでの過程であったり、これまで懸命にご自宅で寄り添って介護をされてきたことなど様々な事情にも触れる機会が増えたことで仕事の重みというものを同時に感じています。
これからは自分が若いメンバーにそういったことを伝える側にもならないといけないんだなと気を引き締めて現場に立つようになりました。
以前、いつも奥さんの面会に来られる高齢の旦那さんがいて、「あれ?今日は姿を見てないね」なんて時があったんです。ご高齢でしたけどご自身で運転して毎日のように奥さんの部屋に通われていたので「どうしたんだろう?」ってスタッフと話し合っていたんです。
もしものことがあっても、と思って念の為にその娘さんに連絡を取って様子を見に行っていってもらったらご自宅で倒れていた、ということがあって、発見が早かったおかげで大事には至らずに済んだんです。その時に娘さんや奥さんから目に涙浮かべてお礼を言って頂けた時は私も胸にグッと込み上げてくるものがありましたね。自分たちの仕事がご本人だけじゃなくご家族やその周りの方達の支えにもなっているんだ、って思えたんです。
介護の仕事ってその人の暮らしのすべてを支えると言っても過言じゃないくらい大変なことなので、たしかに色々と辛いことや落ち込んでしまうこともあるんですけど、ご本人やご家族にとっての一日一日は本当にかけがえのない大切な時間なので、同じように私も一日一日を大切に送っていかなければいけないと思っています。そして、1人で向き合うのではなくチームみんなで一丸となって取り組んでいくことが大事っていつもみんなに話しています。
そうやって少しずつ自分たちが変わっていくことで少しでも寿楽園での生活が楽しいと思ってもらいたいですし、この先寿楽園で一緒に働いてくれる人達にもこの仕事の楽しさを感じてもらえるようにしっかり伝えていたいと思っています。
いつでも駆けつけるための秘密道具が充実しています!このおかげでチームの連携がより強化されています。
寿楽園で生活されている方の各種データの入力や記録にはQRコードやスマホ、タブレットを使うようになりました。少し前までは紙にメモをしたり、毎回駆け回って伝えていましたが、今ではこうしてすぐに食事量や排泄、体調などが手元のタブレットでわかります。
またチーム間での情報の交換、発信にはインカムを活用することで、グループ職員に一斉に指示を出すことができるようになっています。こうしたITやテクノロジーを活用することで、現場に駆けつけるタイミングがとても早くなっていると実感しますし、それは皆さんの転倒や事故発生のリスクを軽減することに繋がっていると感じます。
こうしたアイテムを活用しながら、寿楽園での暮らしがもっと安心&安全な1日になるように、チーム全体で協力しています。
鮮やかに彩られた時間が待っているから頑張れる、ここで暮らす人の笑顔と温かさが私に力をくれるんです。
飽き性だった私が今まで頑張ってこれたのは、この仕事でしか味わえない何かに魅了されてしまったからだと思います。その“何か”を一言で表現するのは難しいんですが、1つ言えるのは、「寿楽園での仕事にはいつも新しい感動と発見が詰まっている」ということがあると思っています。
楽しいこと嬉しいことだけではなく、厳しいことや辛いこともあるのが介護の仕事だと思います。そして、自分の未熟さに頭を悩ませることも決して少なくないですが、そこで得た反省を学びに変えていくことが出来るのは、きっとここに暮らす人達の温かさに包まれているからだと思います。
この仕事を続けて22年目になりますが、一言では表現し切れないこの不思議な魅力を一人でも多くの人に伝えていけるような自分になりたいと思っています。